104日記

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インセル「恋愛している女性はビッチ」ルサンチマン?ミソジニー?

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インセル とは

インセル(incel)とは彼女ができない男性のこと。

involuntary celibate (インボランタリー・セリベイト)を略した言葉。

involuntary(自主的でない)
celibate(禁欲主義、独身)

自分の意に反して欲望を我慢させられている人。「不本意の禁欲主義者」と訳されることが多い。

インセルの多くは白人で異性愛者。

インセルを理解するためのキーワード

  • 「チャド」「ステイシー」
  • ミソジニー
  • エリオット・ロジャー(ER)
  • 「Reddit」「4chan」
  • 最高紳士

インセルの特徴

  • 恋愛のパートナーや性的なパートナーが見つからない
  • 恋愛をしている女性たちをみな「ビッチ」とみなす
  • 場合によっては、恋人がいる人たちを罰するべきと考えている
  • 恋愛できないのは「女性」側に問題があると考える
  • 自分の容姿に強いコンプレックスを持っている
  • 女性は外見が良い男性にだけ惹かれると信じている
  • 主にインターネット掲示板の「Reddit」「4chan」などで投稿やインセル同士の交流を行う
  • フェミニストへの攻撃、女性差別、人種差別、同性愛差別などの投稿を行う
  • 女性を「モノ」のように考える
  • 女性差別主義者(ミソジニー)

※ミソジニー…女性に対する嫌悪や憎悪、女嫌い、性差別のこと。直接的な暴力・社会的差別となると問題となる

 

インセル にとっての「敵」

インセルの敵が「チャド」や「ステイシー」である。

付き合う相手に不自由しないモテるイケメンや美女を指す。インセルが使う隠語。

  • チャド(Chad)とはモテる男性のこと。イメージとしてマッチョなイケメン。性に開放的(sexually active alpha males)。
  • ステイシー(Stacy)とはモテる女性。金髪でいわゆるボンキュッボンな女性。

詳しくは「chad stacy」で画像検索を。

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インセル は普通に恋愛している人たちのことは「ノーマル」、「ノーミー」と呼ぶ。
チャドやステイシーのように性的に奔放ではない。にもかかわらずインセルたちはノーマルも敵視している

非モテ以外はだいたい敵、なのかもしれない。

 

インセル が社会を壊す

インセルをただの「こじらせ」、「非モテ」の負け惜しみなどとして片付けてはいけない。単なる、ネットにある非モテの受け皿ではない。

インセルを標榜したテロが世界で起きている。実際に多くの犠牲者を生んでいる。

  • 2014年にはカリフォルニア、
  • 2015年にはオレゴン州、
  • 2017年にはニューメキシコ州、
  • 2018年にはフロリダ州で起き、多くの犠牲者が出ている。

2014年の犯人であるエリオット・ロジャーはインセルの世界では英雄視されている。

 

インセルの象徴「ER」と教義

エリオット・ロジャーは、犯行前のビデオメッセージで以下のようなことを語った

  • 自らを最高紳士(the Supreme Gentleman)であると語る
  • 「自分のような男が女性と恋愛できないのはおかしい」
  • 「自分が恋愛できないのは女性のせいである」
  • 「チャドとステイシーを罰したい」
  • 「本当の被害者は自分自身である」

このエリオット・ロジャーは「ER」と略され、いわばインセル革命の旗印になっている。インセルの象徴として祭り上げられている。

その後のインセルによる事件も彼について言及されている。

  • 2015年、犯行声明でエリットロジャーに言及する
  • 2017年、犯人は自らをエリオットロジャーと名乗る
  • 2018年、「エリオットロジャー万歳!」と書き込む

インセルたちは「インセル革命」の実現を目指す。インセル革命とは、チャドとステイシーを全滅させることである。


インセルとルサンチマン

犯罪にまで至るインセルの動機には性的欲求不満がある。

別の言い方でいえばルサンチマンが根っこにある。

ルサンチマンとは「恨み、反感、嫉妬」といった「負の感情」のこと。

このルサンチマンは人間であれば誰もが持つ感情である。

ルサンチマンを抱くことそれ自体はわるいことではない。怒りや悲しみ喜びのように人間らしい感情の一つ。

しかしそれにとらわれると人生にマイナスに働く。

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インセルとサイコパス

またインセルは固定観念にとらわれているという指摘がある。その固定観念とは、世間が抱く「男性らしさ」や「完璧な男性像」である。

それにとらわれる結果、現状の自分と理想とのギャップに苦しみ、自分を否定する。女性を攻撃するのはこの否定の裏返し、投影といえる。

そうであれば、インセルはサイコパスのように倫理観が欠如しているわけでないかもしれない。ある意味で共感性が高いことから「こういう男じゃないとモテない」という幻想に縛られているのかもしれない。孤独になるとより固定観念は強まるとされる。
インセルはサイコパスのように特殊な人間ではなく、若い男性であれば誰でもそうなりうる。

 

まとめ

  • インセルとは、不本意の禁欲主義者
  • チャドやステイシーを特に敵視する
  • エリオットロジャーの起こした事件がインセル革命の発端とされる
  • 犯行の動機には性的不満足、ルサンチマンがある

アメリカで起きたことは数年遅れで起きることが多い。もちろん日本はアメリカと違って銃社会ではないため大規模な犯罪のハードルは高い。ただ今後日本でも「孤独な青年」による事件が起きうる可能性がある。

実際に、内閣府の調査によれば、「インターネット空間が自分の居場所」と6割の若者が答えているという内閣府の調査もある。